足指を広げても、それだけでは症状のよくならない人がいます。それはなぜなのか、観察を続けていてわかりました。足指を広げても、歩くときに使っていなかったのです。

 

多くの人は胸を張って、大股で歩いている

健康に気をつけている人は、ウォーキングを毎日の習慣として取り入れている方も多いですね。一般的に、理想的な歩き方は、「胸を張って、大股で歩くこと」だと言われています。

しかし、日本人は、先祖代々、稲作をはじめとした農作業をして生きてきました。田植えや稲刈りをするときにはひざを曲げ、背中を丸めて前かがみになる。こうした姿勢が、日本人の骨格の基礎を作ってきたのです。

日本人の骨盤は後ろに傾いている方が多いため、腰が平らで、お尻にも肉がつきにくい。前方重心で、真っ直ぐたっても、やや猫背気味なのが日本人の特徴です。

そのため、日本人が胸を張って大股で歩くことは、歩くときに足指を使いにくくするだけでなく、体に無理を強いることになるのです。ウォーキングをしていると足腰が痛くなるという場合には、歩き方に問題があるのかもしれません。

豊北病院 通所リハビリテーションセンターでは、「ひろのば体操」で足指を広げてもらった後、歩き方の指導もしています。それが「小股歩き」です。これは、歩幅を小さめにする歩き方です。和服を着て、ひざ下を使った歩くような感覚です。小股で歩くと、足で地面をける際に、足指がしっかりと伸びて広がります。足指が伸びて広がると、足裏全体を使う歩き方ができるのです。

 

足指を使って歩くには「小股歩き」が向いている

 

その結果、自然と足裏に筋肉がついて、歩くバランスが改善し、カラダのゆがみが取れてきます。一般に、専門家の間でも、胸を張って大股で歩くのが「正しい歩き方」だとされています。大股歩きは、モデル歩きのようで、一見いいように見えます。しかし、大股で歩くときには、地面を足でける際に、足指がじゅうぶんに伸びていません。

歩くときに、ドスンドスンと大きな音がしたり、靴底の外側の減り方が大きかったりする場合には、大股歩きの傾向があると思ってください。もとも、私たち日本人などのアジア人は、大股で歩くと足指がうまく使えません。骨格に合っていないからです。一方、小股歩きなら、日本人の骨格に合っているので、自然と足指を使って歩くことができます。

 

足指で地面をつかむように前かがみで歩くと良い

小股歩きのポイントをあげましょう。

①歩幅を小さく

歩幅は、足の長さ1つ分ぐらいになるように、小さくします。歩幅とスピードの目安は人により異なりますが、後ろ歩きをした時の歩幅とスピードです。足指が使えていない人は歩幅や速度を上げるとバランスを悪くするので、自然と小さくなるはずです。感覚をつかむには、後ろ歩きをしてみて、今度はその歩幅とスピードで前に歩いてみてください。

②視線をやや下に向ける

視線を、水平より、やや下に向けてください。姿勢は、少し前かがみになります。こうすると、足指に体重が乗ります。ひざや腰は、意識的に伸ばそうとせず、力を抜いた自然体です。一見、小股歩きは「姿勢が悪い」ように思えるかもしれませんが、それは、胸を張って歩くのが良いとすりこまれているからにすぎません。健康のためには、大股歩きよりも、小股歩きです。

③足指を意識して歩く

足指で地面をけるときには、足指を意識してください。足指で地面をつかむような感触を確かめながら、体を前に押し出すイメージです。

小股歩きは、日本人の骨格にあった歩き方なので、足指をうまく使うことができ、地面を蹴るときも、足指が十分に伸びます。足指で地面を無意識につかむような歩き方ができれば、足裏にも筋肉がついてきます。

小股歩きでは、膝から下を使うのですが、着物を着たことがある方なら想像しやすいかもしれません。もしイメージが難しいようであれば、膝の少し上をベルトや紐で固定して歩いてみてください。

太ももの筋肉だけを使って歩こうとすると足が出にくくなりますが、膝下だけを使った歩き方になると普通に歩けるはずです。

 

1日5分でいいので、歩いて感覚をつかもう

小股歩きは、1日5分でいいので、歩くときに取り入れてみてください。やってみると、とても楽な歩き方であることがわかると思います。そして足指の使い方が、必ずつかめるはずです。小股歩きにして足指を使う感覚がつかめてくると、普段の歩き方も確実に変わってきます。小股で歩くと、カラダのバランスがよくなり、全身の筋肉効率よく使うことができます。その結果、カラダのゆがみが取れて健康な体になっていくのです。小股歩きにするだけで、ひざ痛や腰痛が解消する方もいます。